会社分割における許認可の引継について

会社分割は、事業譲渡の持つ問題点を改善するために平成12年の会社法改正で導入されたものであり、許認可の引継が可能となっているのが大きなメリットです。

しかし、すべての事業において許認可の引継が認められているわけではありません。引継を認めていない事業もあります。また、事前に認可等を受けなければ会社分割自体が認められないが、事前に認可を受ければ許認可の引継も認められる場合もあります。

会社分割を行う際には、許認可の引継が認められているかどうかを、事前に法律を参照したり監督官庁に問い合わせをするなどして確認することが重要となります。

以下、許認可の引継が認められていない場合・引継ぐために会社分割に対する事前の認可等を受ける必要がある場合・当然に引継がれる場合(分割後に届け出は必要)に分けてまとめましたのでご参考ください。

 

会社分割の詳しい手続きを知りたい方はこちら

許認可の引継が認められていない場合

宅地建物取引業

貸金業

火薬類販売業

(火薬庫の設置の許可については、分割後都道府県知事に届け出を出せば承継可能です。)

建設業

(ただし、会社分割による新設会社や承継会社が許認可の申請をする場合、スムーズに取得できるように配慮することが定められています。事前打ち合わせの実施や分割会社への許可取消前の許可が認められており、スムーズな取得が可能となっています。)

 

許認可を引継ぐために会社分割に対する事前の認可等を受ける必要がある場合

ガス事業 産業経済大臣の認可

熱供給事業 産業経済大臣の認可

一般廃棄物処理業 都道府県知事の認可

産業廃棄物処理業 都道府県知事の認可

旅館業 都道府県知事の承認

一般旅客定期航路事業 国土交通大臣の認可

一般貨物自動車運送事業 国土交通大臣の認可

一般旅客自動車運送事業 国土交通大臣の認可

信託業 内閣総理大臣の認可

 

会社分割によって許認可が当然に承継される場合(分割後に届け出は必要です。)

理容業 都道府県知事への届出

特定貨物自動車運送事業 要国土交通大臣への届け出

貨物軽自動車運送事業 要国土交通大臣への届け出

自動車分解整備事業者 要地方運輸局長への届出

 

*会社分割後に行う届け出は、30日以内等の期限が定められていることが多いです。ですので、会社分割後遅滞なく行うことが大切です。

 

会社分割を事業再生の方法として利用する際の、許認可引継の特例について

2009年6月から、「中小企業承継事業再生計画」の認定制度が始まりました。これは、中小企業が、事業再生の方法として会社分割・事業譲渡を行う際、「中小企業承継事業再生計画」を作成し、その計画が一定の要件を満たす場合、中小企業庁から「中小企業承継事業再生計画」の認定がもらえる制度です。

認定を受けると、税率や借入金利において優遇が受けられるだけでなく、許認可の引継にも特例が認められることになります。

具体的には、新設会社や譲受会社が営業上の許認可を再取得しなければならない場合でも、分割会社や譲渡会社が取得していた事業の許認可を引継ぐことができるようになります。

 現在、この特例が認められているのは、

旅館業法 建設業法 火薬類取締法 道路運送法 ガス事業法 熱供給事業法 貨物自動車運送事業法

 

の7業法に限られていますが、食品衛生法の許可・公園事業の許可・酒類の製造免許・酒類の販売免許についても配慮されていることが、中小企業庁によって公表されています。

 将来、この7業種以外の業種にも拡大される可能性が高いです。最新情報をお知りになりたい方は中小企業庁のホームページでご確認ください。

  
  
  
 
   
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