●費用徴収制度とは
労働者を1人でも雇っている事業主は、原則として労災保険の適用事業主となります。
この場合、事業主は労働者を雇い入れた日から10日以内に所定の保険関係成立届を労働基準監督署等に提出することにより、労災保険の加入手続を行なわなければなりません。
事業主がこの加入手続を怠っていた期間中に事故が発生した場合、労働者やその遺族には労災保険が給付されますが、その一方で事業主からは給付された労災保険の金額の全部又は一部が費用徴収されます。(別途、遡って保険料も徴収されることになります。
平成17年11月1日から、この費用徴収制度が強化され、労災保険から給付を受けた金額の100%又は40%を事業主から徴収することとなりました。
●費用徴収の実施例
A社では、今まで労災事故を発生させたことがなく、また保険料の支払が負担になることから、労災保険の加入手続を行っていなかった。
ところが、従業員B(賃金日額1万円)が労災事故が原因で死亡し、遺族の方に対し労災保険から遺族補償一時金の支給が行われた。
このようなケースでは、以下のとおり費用徴収が行われることとなります。
●故意と認定された場合
労災事故が起こる以前にA社が都道府県労働局の職員から労災保険の加入手続を行うように指導を受けていたにもかかわらず、その後も労災保険の加入手続を行わなかった場合は、「故意」により手続を行わないものと認定され、保険給付額の100%の金額が費用徴収されることになります。
この場合の費用徴収の額は、概ね次のとおりとなります。
遺族補償一時金の額(10,000円(労働者の賃金日額)×1,000日分)×100%
=10,000,000円